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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

そのうちに自分の胴から黄いろい煙が出たなと思ったとたんに、

しゅうっ、しゅうっ。

と、大きな音がして、全身が破れそうに痛くなる。そうしてあとは、気がとおくなってしまう。その時には、彼はもう地上に倒れているのであった。

火星兵は、次々に倒れていく……。

火星人にばけた蟻田博士と新田先生とは、ガスピストルを、さかんにぶっぱなしている。

山のいただきに集り、近づく大江山突撃隊を見おろして、がやがやおしゃべりをしていた火星兵どもは、かたっぱしから怪音を発して、ぶったおれる。あたりは、十号ガスの煙がもうもうとたちこめて、まるで煙幕をひいたようである。

そのうちに、火星兵の方でも気がついた。

「どうも、おかしいぞ。あやしい奴が、はいりこんだらしい。おいみんな、気をつけろ」

「気をつけるどころじゃないぞ。これを見ろ、たいへんだ。いつの間にか防圧の壁がとけてしまって、みんな、はだかになって死んでいくぞ。どうもへんだ。わしもやられたらしいぞ。た、助けてくれ」

「この煙がおかしい。おや、あそこにいる二人の火星兵めが妙なものを手に持って、わしらの仲間の胴中に、何かしきりに撃ちこんでいるぞ。