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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
どうしても、ただの人間とは思われない。
千二は袋の中から、声をかけた。
「ねえ、丸木さん。おじさんは、なぜ火星のボートの中にいたの。僕が火星のボートの中で、目をさました時、おじさんは隣の部屋から出て来たでしょう。すると、おじさんは、僕より早くから、あのボートの中にいたわけね」
丸木は、どんどんスピードをあげて、走り続けながら、
「こら、千二。よけいな口をきくものじゃないよ。だまっていなさい」
と、叱りつけた。丸木は、たいへん気をわるくしているらしいことが、その声からわかった。
千二は丸木に叱られて、しばらく黙っていた。しかし彼は、間もなくまた丸木に話しかけた。
「ねえ、丸木さん。今は、まだ昼かしらん、それとも夜かしらん」
「よく喋る子供だな。そんなことぐらい、きかなくても、わかるじゃないか」
丸木の返事は、あいかわらず、ぶっきらぼうであった。
「僕には、昼だか夜だか、どっちだかわからないんですよ。だって、僕は、厳重な目かくしをされているんだもの」
「ああ、そうだったね」丸木は、ようやく思い出したらしい。「いまは夜だよ。外は、真暗で、どの家も戸をしめているよ。