轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

しかし今度は、もうしゅうしゅうと音はしない。丸木が、千二のはいった袋を肩にかけて、歩き出したと思われる。

丸木は、どんどん歩きつづけた。

「丸木さん、汽車に乗っていかないの」

千二は、袋の中から声をかけた。

「汽車?」

丸木は、ちょっと言葉を切って、

「汽車なんかをつかうより、歩いた方が早いや」

「うそばっかり」

千二は、丸木が、汽車より早く歩けると言ったので、うそつきだと思った。

しかし、これは後に、千二の考えちがいだったことがわかった。いや、妙な話である。たいへんな話である。

袋の中にゆられながら、千二は、その間に、これまでのことをふりかえってみた。するといろいろと腑におちないことが、たくさん出て来た。

中でも千二にとって不思議でたまらないのは、この丸木が、いつの間にか千二の名を知っていたことである。千二は、まだ一度も彼の名前を名乗らなかったし、服のどこにも名前は書いてないのだ。

丸木というこのおじさんは、考えれば考えるほど、うす気味の悪いおじさんだ。

「ここには火星の生物がいるのだ」と、驚きもせずに言ったのも、丸木だった。

千二を袋の中に入れ、それをかついで走る丸木という人物は、考えれば考えるほど、腑に落ちないところのある人物だ。