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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

ここに図面がある。ここのところだ」

先生は、図面を持って、操縦室よりも先の方にある部屋を開いた。

(冷却管の故障だ)

と、蟻田博士は、言うのであった。

新田先生は、ほんとうに、そうかしらと、うたがいながら、図面を片手に機械室の中をのぞいた。そこは、せまいところへ、ごてごてと機械がならんでいて、電線やパイプが、まるではらわたのように壁や天井を、いっぱいにはいまわっていた。

新田先生は、冷却管は、どこであろうかと、機械の間を見廻した。

そのとき、先生は、

「おやっ」

と、さけんだ。

「だれか、寝ている。人間だ!」

先生は、機械のうしろに、せなかを円くして、たおれている人間を発見して驚いた。

だれであろう? 何者であろうか?

先生はちょっと尻ごみしたが、やがて、勇気を出して、その寝ている男をひきおこしてみた。

「ああ、千二くんじゃないか!」

先生は、びっくりして大きな声を出した。意外にも意外!

この思いがけない大空艇の客は、彼の教え子の千二だったのである。

千二少年といえば、彼は、火星兵団の丸木につかまって、ながいこと捕虜になっていた。丸木は、少年が逃出さないようにと、電気帽をかぶせておいた。