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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
この電気帽というのは、電気のしかけで、人間の脳のはたらきをしばる。これは、脳のはたらきというものが、電気作用であるということをつきとめた火星人の学者がつくったものであった。千二は、これをかぶされていたために、丸木のところを逃出そうなどという考えが出ないように、しばられていたのである。
その千二が、どうして、丸木のそばを逃出し、こんなところにもぐりこんで、寝ていたのであろうか。
千二は、一体、どうして丸木のところを逃出せたのであろうか。
そのわけは、すでに気がついておいでの読者もあろうが、ある朝、千二のかぶっていた電気帽のねじが、ゆるんで下に落ちたのが、その原因であった。
電気帽のねじが落ちたことを、丸木は知らなかったのである。もし知っておれば、すぐさま千二のそばへよって、ねじを固くしめなおしたであろう。
千二は、電気帽が落ちたとたんに、夢からさめたように気がはっとした。そうしてすべてをさとったのである。――電気帽みたいなものが発明されるかもしれないことは、この前、新田先生から教えられたことがあった。
千二は、それから、丸木の目をのがれ、逃出したのであった。