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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

と、新田先生は、千二の手をとって、ためいきをついた。

「先生、ありがとうございます」

千二も、胸が、いっぱいになった。

「おうい、新田。何をしとる。用がすんだら、さっさとこっちへこんか。何をぺちゃくちゃ、ひとりごとを言っとるのじゃ」

博士が、隣の部屋でどなった。

新田先生は、千二がもどってきた嬉しさで一ぱいで、博士から言いつけられたことを忘れていた。これは大変なことをした。

「はい、ただ今。――冷却管を今調べます」

「冷却管はもういいんだ。何を間がぬけたことを言っとる」

「はあ、冷却管は、もういいのですか」

「ちゃんと、なおったよ。お前が、なおしたから、なおったのじゃないか」

「ははあ、そうですか」

先生はとんちんかんな返事をして、なおも冷却管のところを、のぞきこんでいる。

千二が、それを見て、

「先生、冷却管がどうかしたのですか」

「うむ、冷却管に、水が通らなくなって、さわいでいたのだ。そこに見える冷却管がねえ……」

と、先生は言ったが、その時、気がついて、笑い出した。

「あ、わかった。冷却管の上に、千二君が寝ていたんだ。だから、からだの重味で、冷却管がぺちゃんこになって水が通らなかったんだ。