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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
「あの音か。あれは、うしろから来た火星の宇宙艇が、怪力線を、わが大空艇に、あびせかけたのだ」
「えっ、この艇に、怪力線が命中したのですか。そいつは、たいへんだ。艇はこわれてしまうのではありませんか」
「大丈夫だと、いくども言っているではないか」
「しかし博士、怪力線という奴は……」
「心配するな。そんなこともあろうかと、わしは、わが大空艇の外に、怪力線よけの遮蔽網をはっておいた。あの音は、その遮蔽網が怪力線を吸いとる時に出る音だ」
「ああ、そうですか。それは、よかった」
「おい、撃て、新田。あと三台の敵艇を、はやいところ、片づけろ」
今、かれとわれとの戦闘は、火のように熱している。
二台はうちおとされ、のこる三台の火星の宇宙艇は、にげるかと思いのほか、さらにはげしく蟻田艇におそいかかった。怪力線は、まるで大雷雨の中の電光のように、蟻田艇をつつんだ。艇を、やいてしまおうと、火星人はやっきとなっている。
しかし、博士が、あらかじめこのことを考えて、艇をつつんでおいた遮蔽網は、よく怪力線をもちこたえている。
時に怪力線は、はげしく艇の外を金づちで乱打するようにきこえる。