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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

そうして今にもこわれそうに、ものすごく震動する。そのたびに、

(もう、いけないのじゃないか)

と、新田先生は気が気でない。

だが、いつも、蟻田博士の用意しておいた遮蔽網は、怪力線をくいとめる。

「新田、どうした、早く撃てというのに……」

博士のさいそくだ。

先生は、

「ただ今……」

と、こたえる。

が、引金を引くいい時が、なかなかやってこない。敵の艇と、あまり近くによって、ぐるぐる空中戦をやっているため、敵の艇が狙いにはいって、さあ撃とうと思うとたんに外れてしまうのである。

「ガス砲は、撃放しにせよ。味方は一機だけ、敵は多い。どれにでも当ればいいのだ」

博士のことばに、はげまされて、先生は思い切って引金を引放しにしていると、当るわ当るわ、たちまち敵の二台は煙をあげてふらふらとおちだす。

そうなると、のこりの一台は、さすがに気おくれしてか、火星兵団の本隊のいる方へ、かじをとってにげだそうとした。

「待て、にがすものか」

小気味よい追撃で、その一台もとうとう黄いろい煙をふきだして下界へ……。

59 命中また命中

火星の宇宙艇五台は、蟻田博士のため、みんな撃墜されてしまった。