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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「博士、ぼくのことなら、心配いりませんよ」

「よろしい。みんな、それでよろしい。今ここで、火星兵団を叩きつぶさないと、地球人類は、かれらの奴隷とならなければならんのじゃ。しっかりいこう」

ふしぎなのは、蟻田博士という人であった。おかしな学者といわれた人物でありながら、こうして、火星兵団とたたかっているところをみると、どうみても、千軍万馬をひきいる無敵の老将軍のおもかげがある。たのもしいかぎりである。

かんがえてみるのに、蟻田博士は、たいへん、かわった学者であった。博士は、あたりまえの学者とは、全くちがう道をとおってきた大学者であった。

博士は、ずいぶん前から、地球人類が、地球外の生物から、このように、はげしい攻撃をうけることをしっていたのである。そうして博士は、そのことを、世の人々に、それとなく注意したのであるが、だれもそれに耳をかす者がいなかった。やむなく博士は、他人をたのみにせず、自分ひとりで外敵にあたろうと、決心したのであった。

博士のながいあいだの苦労が、今ここに実をむすんで、うまく外敵をけちらすか、それとも、外敵のため、博士も、他の人間とおなじように、こっぴどくやっつけられるか、二つのうちの一つが、今きまるところなのだ。