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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
それほどの用心をしてこそ、あのように、地球の上を、らくに歩いたり、平気でくらしていたのだ。だから、逆に、われわれが、火星の上におりて、安全に生きているためには、やはり用意がいるわけだね」
「用意というと、やはり何か着るのですか」
「もちろん、着る必要もあろうし、第一、空気がうすいのだから、酸素のはいったタンクのようなものを、持っていく必要があるとおもうね」
「先生、ぼくは、そんなものを持っていませんが、じゃあ、火星へおりられませんね」
「持っていないのは、千二君だけじゃないよ。先生だって、持っていない」
「じゃあ、博士は持っているでしょうか」
「ああ、博士かね。そうだなあ、博士は、火星にいたことがあるというから、きっと持っているとおもうが、はっきりしたことはしらない」
「先生、こんなことは、ないでしょうか。火星へついて、博士だけが下へおりて、いってしまう。あとに、先生とぼくとは、いきがくるしくなって、死んでしまう……」
「そんなことがあっては、たまらないね」
と、先生は、ちょっと顔をくもらせたが、
「あ、そうだ。わたしたちの前にもう一人、火星へいっている男がいるのだよ。