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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
そのとき、先生は目顔で、しっと叱った。それで、千二は、しまったと思った。手をきちんと膝の上におき、顔を前に向けた。ところが、おどろいたことに、いつの間にか千二の前には、お料理をもった大きな鉢がある。
「うわあっ、いつのまに、こんなごちそうが、出てきたのだろう」
と、千二は、自分のまえに、とつぜんあらわれたごちそうの鉢をながめて、目をぱちくり。
「千二。それほど、驚くことはないよ。ほら、テーブルの真中を見ているがいい。ごちそうの鉢が、どんなふうに出てくるか、よくわかるじゃろう」
「え、テーブルの真中ですか」
博士に言われて、千二は、テーブルの真中を見た。
テーブルの真中に、とつぜん、ぽかりと穴があいた。それは、大きな丸いおぼんが、はいるくらいの大きな穴であった。
すると、下から、ごちそうの鉢が、せりあがってきた。
「おやおや、出てきたぞ」
鉢が、テーブルのうえまであがると、こんどはその鉢は、すうっと走りだして、新田先生のまえへいって、ぴたりととまった。
「やあ、このごちそうの鉢は、化物の一種だな。鉢が、ひとりで、テーブルのうえを走るんだもの」
千二は、驚いて言った。