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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

と、ロロ公爵は、頭を下げた。

ロロ公爵のあいさつは、なおもつづいた。

「わが火星には、生物がいます。地球にも、人間というりっぱな生物がいます。このひろびろとした宇宙をみわたしますと、ずいぶんたくさんの星が見える。何億か何十億か、ほんとうのところは、とてもかぞえきれないでしょう。しかるに、そのうえに、生物がすんでいることがわかっているのは、わが火星と地球だけである。しかも、火星と地球とは、きわめて近くにいる。現在の距離は、たった五千六百万キロである」

ロロ公爵は、たった五千六百万キロだと言った。

(五千六百万キロが、たったかしら)

と、千二は、目をぱちぱち。

公爵は、ことばをつづけて、

「そういうわけで、火星と地球とは隣組同志であります。もし宇宙に隣組とか隣保班とかをつくるのだったら、わが火星と地球とは、同じ組にはいるべきはずです。助けられたり助けたりの、そういうお隣同志でありながら、両方がけんかをしているのは、よくないことです」

「なるほど」

と、新田先生が言った。すると、ロロ公爵は、先生の方へ、ちょっと頭を下げて、

「地球の方には、火星をくるしめようと思っている人はないらしいが、火星の方には、地球をくるしめようと思っている者がいます。