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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

むかしから、そういう者がいたのです。ことに今、地球がたいへんな災難にあって、くるしんでいるその足もとにつけこんで、火星の生物は、わるいことをしようとしている。火星兵団などというものが、それです。ちょっと聞くと、しんせつのようですが、ほんとうのところは地球の人間や馬、牛などを、自分のところへもっていって、それを家畜として、かずをふやし、そのうえで、ぱくぱくたべてしまうつもりである。じつにおそろしい火星の生物どもです」

と、ロロ公爵は、こえはわるいが、なかなかうまくしゃべるのであった。

64 地球よ、さようなら

大空艇の宴会は、たいへん、うまくいった。

博士をはじめ、新田先生に千二、それからロロとルルの二人の火星人公爵とは、すっかり仲よしになってしまった。

『宇宙の隣組』――という考えで、ロロ公爵は、地球と火星とは、おたがいに、手をにぎりあって行きたいと言ったが、それはなかなかいいことばであった。

そう言ううちにも、大空艇は、ずんずんと宇宙を飛んで、火星に近づいて行った。

前方を行く火星兵団長丸木の乗った宇宙艇の針路は、もうちゃんとわかっていた。彼は火星へにげもどるのである。