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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

と、博士が言えば、

「それがいいですよ。カリンの岬なら、丸木なんかが攻めて来ようとしても、ちょっと手間がとれますからねえ」

と、ロロ公爵が賛成した。

「あそこには、水底に洞窟がありましたね」

と、蟻田博士がたずねた。

「そうです。カリン下の洞窟のことですね。あそこは、かくれるのに持って来いのところです」

「洞窟と岬との間には、抜道のようなものがありましたね」

「ああ、ありますとも。五つの扉をあけないと通れませんが、階段がついていますよ」

「その扉は、どうすればあくのでしたかねえ」

「呪文を唱えればいいのです」

「その呪文は」

「ロラロラロラ、リリリルロ、ロルロルレと言えばいいのです」

「むずかしい呪文ですなあ。ロラロラロラ、リリリルロ、ロルロルレか」

蟻田博士は、口をもぐもぐさせて、この言いにくい呪文をくりかえした。

「そこでロロ公爵、あなたは、火星へ帰られると、すぐ旗あげをせられますか」

「ええ、やりますとも。ルルが、ぜひともやると言って、意気ごんでいるのです」

と、ロロ公爵は言って、側にひかえたルル公爵をふりかえった。

ルル公爵は、いつも、だまっているのが好きであった。