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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
先生と千二は、博士にならって、ものものしいすがたになった。
(こんな重いものを着て、どうなるであろうか。重すぎて歩けないであろう。これで千メートルも歩けばへとへとになるであろう)
千二は、はじめ、そう思っていた。
ところが、不思議なことに、それを着てみると、思いのほか軽かった。
「おや、不思議だ。これは、みんな紙で出来ているのかしら」
まさか、紙で出来ているとは思わなかったけれど、思いのほか、たいへん軽いのであった。それをからだにつけて歩いてみても、平気であった。
博士は、千二が感心しているのを聞いて、
「それは、軽いのがあたりまえだ」
「へえ、なぜかしら」
「それは、つまり、重力というものが、火星の上では減るからじゃ。地球の重力よりも、火星の重力の方が軽いのじゃ。だから、火星の上では、ものが軽くなったような気がするのじゃ」
「はあ、そうですか」
すると、新田先生が、
「そういえば、このごろなんだか、からだが軽くなって、ふわりと飛べそうな気持がすることがあるのですが、重力が軽くなったせいですね。うっかりしていて、それを忘れていましたよ」
と言った。
「今ごろ気がつくようでは、たよりがないねえ」