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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
では、どうぞ、おげんきにな。大勝利を、いのっていますぞ」
と、博士は、ロロ公爵とルル公爵の手をにぎってはげました。
いつも無口のルル公爵も、
「蟻田博士、ご恩のほどはわすれません。たとえ、これでうち死しましても、私はもう思いのこすことがありません」
と、かんげきの言葉で、あいさつをした。
「あなたは、からだがよわいのだから、くれぐれも気をつけて下さい」
博士の言葉は、みじかいうちにも、あたたかい情心がこもっていた。
「じゃあ、新田先生も千二君も、さようなら」
「どうぞ、しっかりやって下さい」
「ロロ公爵、ルル公爵、ばんざあい」
「ありがとう、ありがとう」
二人の公爵は、思出多い大空艇からたち出でた。足の下にふんだのは、ひさかたぶりの火星の大地であった。
「じゃあ、いって来ます」
「いってらっしゃい、お元気で……」
二人の公爵は、ついにくらやみの中にすがたをけしてしまった。大空艇の中には、今はもう地球から来た蟻田博士と新田先生と、そうして千二との三人きりとなってしまった。
「博士、これからあの二人の公爵は、どうするのですか」
と、先生がたずねると、博士は、
「いよいよ旗あげをするのだ。