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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

丸木さんは、とんでもない悪人だ!)

千二は、あきれてしまった。

「おい千二、何をぐずぐずしているのか。金が手にはいったんだから、すぐボロンを買うんだ。さあ、一しょにいってくれ」

丸木の冷たくてかたい手が、千二の手くびをにぎった。千二は、丸木にひきずられるようにして、人影もようやく少くなった銀座の通を走った。そうして、例の薬屋の店先まで来た。その時丸木は、驚きの声をあげた。

「おや、この家だと思ったが、店がしまっている」

薬屋の店は、もうしまっていた。そうであろう。商店法により、午後九時を過ぎると、店をしまう規則になっている。

丸木は、ぷんぷんおこりだした。

そうして、薬屋の戸を、われるようにどんどん叩いた。

「もしもし、さっきの店員の人。金を持って来たから、ボロンを売ってくれたまえ」

店の中では、人の話しごえが聞えるが、だれも丸木にこたえる者がなかった。

「もしもし、さっき君は、金を持って来れば売るとやくそくしたじゃないか。さあ、ボロンを売ってくれたまえ」

すると店内から、ばかにしたようなこえで返事があった。

「もう九時を過ぎましたから、商店法の規則で、品物はうれません。