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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

「博士、いま向こうのやみの中で、なんだか、きらきらと光るものが、よこにとびました。流星のようでもありますが、よこにとびました」

すると、博士はうなずき、

「そうか、どのへんかね」

「あのへんです」

と、先生が窓から外をゆびさした。

「よろしい。暗視テレビジョンで、のぞいて見れば、すぐわかる」

博士は機械室の暗視テレビジョンをかけた。すると、その映写幕の上に、まっくらな外のありさまが、まるでひるまのように、ありありと写った。

見よ、岩山のかげから、しきりにぎょろぎょろと目を光らせている怪物がある。それも一つや二つでなく、かなりかずが多い。光っているのは彼等の目であった。

カリン岬の岩山のかげから、こっちをのぞいている気味のわるいたくさんの目!

「ふん、やっぱり、丸木のやつ、わしたちを見つけたな」

と、博士は、暗視テレビジョンを、うごかしながら言った。

「ああ、やっぱり火星兵団でしたか」

と新田先生は、こぶしをにぎる。

「それでは、やっぱり、僕たちは戦争をしなければならないわけですね」

千二は、さっきから、しきりと、ふき矢をいじっている。早く、ぷうとふいてみたくて、たまらないらしい。