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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

千二は、それがあまりふしぎであったので、あとのふき矢をふくこともわすれて、見とれていた。

「おい千二君。火星兵がだいぶん、たくさん来たよ。早くふき矢をとばすのだ」

と、新田先生は千二にちゅういをした。

「はい。ふき矢を飛ばしますよ」

千二は、先生にさいそくされて我にかえると、こんどは、つづけざまに、ふき矢を飛ばしはじめた。

しゅうっ、しゅうっ、しゅうっ。

こんどは、よくあたる。調子さえわかれば、千二の方が先生よりも上手であった。なにしろ千二はふき矢をこしらえて、森の中で小鳥をとるのが、なかなか自慢であったのだから……。

火星兵は、わめきながら、こっちへ向かって来る。こんぼうみたいなものを、ふりあげて来るところは、なかなかすさまじいものであった。

そこへ、ふき矢が飛んでいって、ぴしりぴしりとあたる。おもしろいほど、よくあたる。あっちでもこっちでも、火星兵がからだをちぢめて、ごろごろころがっている。

ふき矢があまりよくあたるので、火星兵は少しおそれをなしたようすであった。今まで勢いよく突撃して来たのが、いつとなく足もとがみだれ、そのうちに、森の中から一歩も出て来なくなった。