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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

そうして、木の幹の間や岩のかげから、あたまだけを出して、こっちをじろじろと見ている。

「先生、こっちが勝ったようですね」

と、千二は、先生に声をかけた。

ところが、先生のへんじがない。

「先生。おや、先生は、どこへいったかな」

千二は、びっくりして、あたりを、きょろきょろとみまわした。

さあたいへん。先生の姿は、そこになかった。先生の姿だけではなく、博士の姿もないのだ。見えるのは、前面からこっちをにらんでいる十数人の火星兵のあたまばっかり……。

「あれっ、先生も博士も、どこへいってしまったんだろうな」

千二は、急に心ぼそくなってしまった。これは一体どうしたというんだろう。

69 まきつく触手

千二は、わすれられたように、ひとりぼっちになってしまったが、博士と先生とは、どうしたのであろうか。

新田先生は、ふき矢をもって火星兵とたたかうことに一生けんめいだった。

なにしろ、火星兵は、新田先生が一等つよい敵だと思ったので、これをたおせばいいと思い、先生をめがけて、さかんにせめたてたのである。

そこで先生は、千二のことを気づかっているひまがなくなった。

ふき矢をこめてはふき、こめてはふき、いきのつづくかぎり向かって来る火星兵をなぎたおした。