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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
博士はなおもそれをおいかけた。博士はオリンピックの選手もそこのけという風に、大きな幅とびでどんどんおいかけていく。地球の人間がこれを見ていたら、びっくりすることであろう。老人の博士が、若者のように宙を飛んでいくのである。
しかし、これも火星の上では、重力が小さいから、このように軽快な運動が出来るのであった。老人の博士が、ぴょんぴょんとんでいくところを地球の子供たちに見せたら、ぼくもあのように宙をとんでみたいと、さぞ火星へいきたがることであろう。
「おい、丸木、まて」
博士はうしろからさけぶ。
「まっていられるか。くやしかったら、ここまで来い」
と、丸木は博士をからかう。丸木はどうやら何かたくらみを考えついたらしいのであった。
「にげると、きさまもふき矢をはなって、ねむらしてしまうぞ」
「そんなものが、おれにあたってたまるか」
丸木は岩の上を、りすのようにしきりにとんで、少しもじっとしていなかった。博士は、これではとてもあたるまいと思ったのか、それとも、はじめからふき矢をはなたないつもりだったのか、ただそのまま岩の上をつたって丸木をおいかけた。
丸木は、いよいよとんだりはねたりしながら、とおくへにげていったが、そのうちに、どこへいったか、すがたが見えなくなった。