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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

入口をはいると、はばのひろい大きな階段が地下へつづいている。地底に、りっぱな宮殿があるのであった。きらきらと、うつくしい灯火が、その中でうごいている。

「おおロロ王が、あそこにおられる」

蟻田博士は、そう言って、うしろにつづく先生と千二に、注意した。

階段の下には、王冠をかぶり、黄金でこしらえたうすいころもを着た、りっぱな火星人が立っていて、博士の方へ、手をのばした。

「ああ蟻田博士。よくおいでくださいましたね。おかげさまで、ごらんのとおり、火星国は、りっぱにおさまりました。お礼を申しますよ」

「おお、ロロ王。ごりっぱです」

博士は、ロロ王の手をしっかりとにぎった。

森の王城では、この夜、新王ロロと副王ルルとが、蟻田博士たちに、お礼をする意味で、たいへんな大宴会を開くことになった。

そのときは、もう太陽が沈んで、夜になっていた。あと一時間もたてば、大宴会場は開かれることになっていた。

千二も、王城内の火星人たちから、ちやほやされるので、わるい気もちはしなかった。はじめは火星人がきみがわるくてしかたがなかったが、王城内の火星人は、なかなか礼儀もこころえており、また新王や副王からの言いつけもあって、千二たちに対し、たいへん、ていねいにしていた。