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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

だが、千二は、なにもうそなどはついていない。ほんとうのことを答えたのであるが、課長が、それをほんとうにしないだけのことだった。

千二のことも新聞に出た。

ある新聞には、千二の顔が大きく出ていた。それはどこでとった写真か、千二が見たら、きっとなげくに違いない写真だった。

その写真は、一年前、成田町でとったものだ。その時、写真屋さんの店へ上ったのは、千二ただ一人ではなかった。新田先生も、一しょだった。つまり新田先生が、小学校をおやめになって、大阪へ行かれるのを、成田町まで千二が送って来て、そうしてその別れの記念にとった写真であった。新聞社は、どこからか、その記念写真をさがし出して来て、千二の顔だけを大きく伸ばして、写真版につくりあげたのである。思出のふかい写真から、複製したものだったのである。

だが、千二は、彼の顔が新聞に出たことは知らない。だから、その写真が使われたことさえ、知らないのだ。

しかしながら、新田先生の方では、千二の顔を新聞の上に発見して、たいへんおどろいた。そうして顔をまっかにして、怒りの声を発した。

「こんなばかなことが、あってたまるものか。