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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

大阪では、教鞭をとるのではなかった。大阪帝国大学工学部の聴講生となって、さらに勉強をしようというのであった。新田先生の専攻するのは、ロケットであった。

ロケットというのは、飛行機と同じように、空中に飛びまわる新しい乗物である。まだ研究が完成していないので、あまり大きなものはないが、行く行くは、地球の旅行にも、あるいはまた宇宙を飛びまわるにも、このロケットがたいへん都合のいい乗物であった。

新田先生は、お昼前、無事に東京羽田の空港に着いた。

新田先生は、東京の羽田空港で旅客飛行機から下りると、すぐその足で、とるものもとりあえず、千二少年の留置されている警視庁へ駈けつけた。

「何の用ですかね」

と、受附の警官はたずねた。

そこで先生は、じつは、これこれしかじかと、千二少年のことをのべ、あの少年は自分のいい生徒だったから、殺人事件を一しょにやるような悪い子供ではない、ぜひ許してやっていただきたいと、まごころを面にあらわして言った。

受附の警官は、たいへんいい人であった。新田先生の話に、すっかり同情して、

「そうですか。そういうことなら、誰よりもまず捜査課長の大江山警視にあって、よく話をしたらいいでしょう。