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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
ちょっとお待ちなさい。今会えるかどうか、私が聞いてあげましょう」
と言って、親切にも、他の来訪客を待たせておいて、大江山課長へ話をしてくれた。
その口添がきいたのか、課長は、すぐ新田先生に会ってくれることになった。
先生が、みちびかれてはいったのは、応接室ともちがう小さな部屋だった。壁は防音材料で出来、となりへ話が洩れないようになっていた。その壁に、一枚の鏡がかかっているのが、どうもこの部屋に似合わしからぬものだったが、これは、この部屋からみると鏡としか見えないが、隣室から見るとこの部屋の様子がすっかり見えるという、一種の魔法の鏡であった。
また机の下には、マイクロホンが隠してあった。ひとり言を言ったり、悪者同士が話をすると、その話はすぐ警官の前においてある高声機から、大きな声になって出るという仕掛であった。
さすがに、警視庁だけあって、最新の仕掛がしてあり、悪人を調べるのには、すきがない。外に応接室がなかったので、新田先生はここへ案内されたわけであった。
新田先生が待っていると、そこへ一人の痩せぎすの、背のひょろ高い背広の紳士がはいって来た。顔は若々しいのに、頭はすっかり禿げている。