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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
だが気がついて見ると、例の丸木という怪人がそばにいて、これは火星のボートだと言った。
そういうわけだから天狗岩というのは、この度の事件と、切っても切れないふかい関係のある岩である。
(この岩は、後になって、火星岩と名をかえた。それほど、後になるほど有名になった岩だった)
その天狗岩で千二の父親が大怪我をしたとは、よくよくつきない縁のある岩である。
だが、一体千蔵は、どうして怪我をしたのであろうかと、いろいろ考えながら歩いているうちに、ついに千蔵の家の前まで来た。
たいへんな人だかりであった。村人が、たくさん集っている。みな、心配そうな顔であった。
新田先生は、人波をわけて、中にはいった。すると、ぷうんと、消毒薬のきついにおいがした。奥には、白いうわっぱりを着たお医者さんが、看護婦相手に病人の手当をしているのが見えた。
「どうもいけない。困ったもんだ」
と、千蔵を見ているお医者さまが言った。
新田先生は、玄関に立って、それを聞いていた。
「困りましたわねえ」
と、そばについている看護婦が言った。
「なんとか気のつく方法は、ないものですかなあ」
と言ったのは、勝手の方から、氷ぶくろをかえて来た中年の男だった。