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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
07 一九四〇年(昭和十五年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页
何だか、作者が抑制して書いているのと、若い十五六歳の娘を自然思い出として書いているところともあり、今までのところではブリリアントなものが少い、少くとも「くれない」より光彩がないような印象ですが、どうかしら終りまで行くと。楽しみにしてよんで居ります。
これから自分が書こうというものについても連関していろいろ感じます。「くれない」は毎月連載されて出来たもの、これはずっと宿やでかかれたもの。そういうものについての感想もひき出されるし。
書く必然がわからなくて、というような手紙の文句があったことを思い出したり。長篇というものはなかなかのものですね、随分しっかりした骨格がいる。石川達三のような、昨今の請負人みたいに代用品ドシドシつかってこんどはアパート、こんどは工場、これはいかがと小住宅もつくるというのもあるし。
石川の「結婚の生態」という小説はひろくよまれるのです、そして参考になりました、というようなことが、若い娘の口から座談会に出ている。可哀そうねえ。娘さんの生活内容も。より若き世代ということはより貧しき世代であってはなりません。
『文芸』の仕事、栄さんとの仕事の必要から、その生態なるものも、解剖しなければならず。