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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

07 一九四〇年(昭和十五年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 289,044 字 · 575 页

青空文庫

もし入れば随分分量のある本になります。三つだけで百五十枚ぐらいでしょう、あと二百八十枚ぐらいありますから。これから『婦人朝日』へかくのも入れて。

『新女苑』の六月号の裏を見たら近刊予告の中に私の感想集を出すとかいてありました。これはいつか一寸話のあったので、女のひとのためにかいたもの、随筆その他で、文芸評論は私は別にして、それだけまとめたいと思いますから。女のひとのための教養の書という性質のものをまとめるつもりです、そして、うしろに読書案内をつけます、勿論私の知っている範囲なんてたかがしれていますけれども、それでも何かの役には立つでしょう。それに本年のうちに近代日本の婦人作家がまとまれば私として三種の活動がそれぞれまとめられるわけでまあ悪くもない心持です。金星堂のは松山文雄さんに表幀たのみます、松山さんは今自分の仕事に向ってもはり切っていますから。素朴だがいいと思うの。柳瀬さんのは、透明になりすぎていて、あの画境に疑問もあります。

『都』の「読者論」は、ともかく一生懸命かきました。一部の作家が三四年大衆のための文学と云って、同時に批判の精神なんか必要としていないと、読者の文化水準にかこつけて、その提唱者たちが自己放棄をしたときから、読者と作家との正当な関係は失われたこと、そのときから読者の生活は作者の生活的