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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
線上閱讀三上 於菟吉《雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 頁
しかし、今日からはさぞや変った心となりましょう――恋とやらはせぬがましときいてはおりましたが、たやすくお目にかかれぬ、とうといお身の上のお方さまをお慕いまいらせては、いのちさえ細るに相違ござりませぬ」
浪路も、ホーッと熱い息をして、雪之丞の女にもまごう手先をじっと引きしめると、
「こよい、一夜でも、ゆるりと話が出来たらばのう――」
二人は、目と目を見合せて、しばし言葉もなかった。
すると、そのとき、廊下の方で、軽い足音がして、例の三郎兵衛のしわぶきの音――
のこり惜しげに、若い二人の手がはなれる。
三郎兵衛がさも生真面目な様子で現れて、
「浪路さま、御気分がなおりましたら、御かえりの時刻も迫りましたゆえ、お支度をとの、お父上さまからのお言葉でござります」
「あい。すぐに支度をいたしましょう」
と、つややかな、鬢のあたりに、そっと手をふれて、浪路が答える。
三郎兵衛は、雪之丞に、
「御隠居さま、仰せには、折角、なじみになったそなた、このまま別れるのも心のこりがするゆえ、お屋敷まで、見送ってはくれまいか――とのお話、――明日、楽屋入りも早いこと、迷惑ではあろうが、どうであろう、御一緒に帰ってほしいと思うが――」