輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

線上閱讀三上 於菟吉《雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 頁

青空文庫

四

「う、うむ」

と、三斎隠居は、だんだん青ざめながらうなりつづけるのだった。

「う、うむ――わしの目に狂いのあることはない――わしの目が、どんな珠玉、錦繍の、まがい、本物を間違えたことはない――たしかに、見覚えのある顔だ――目だ――唇だ――すがただ」

「ほ、ほ、ほ、そんなにお見つめあそばして、お恥かしゅうござります」

と、雪之丞は、紅い口に銀扇を押しあてて笑ったが、

「一たい、どこのどなたさまに、わたくしが、お似申しているのでござりましょう?」

「それが、思い出せぬ――いまいましいほど、どこかにこだわりがあって、思い出せぬ」

と、三斎隠居は、物に憑かれたように、みつめつづけるのだった。

「では、わたくしが、ほんの心あたりを申し上げて見ましょうか――」

雪之丞は、いよいよ冷たく笑って、

「わたくしの方も、思いだせるようで思いだせませぬが、この身もおさないころ、長崎に生い立ったこともござりますゆえ――」

「えッ! そちが、太夫が、長崎で!」

と、三斎、叫んだと同時に、顔いろが、青葉のように化った。

「はい、長崎で、育ったものでござりますが、これ、土部の御隠居――」

雪之丞は、そう凄然たるこえで呼びかけると、深くうつむいて、しばし荒い息をしたが、サッと、振り上げた顔――