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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

線上閱讀三上 於菟吉《雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 頁

青空文庫

ほ、ほ、ほ、それでも、あたしのために、気まで失って下すったのだから、お礼を申します――ことに、鳥越の先生なぞ、二度まで、生き死の思いをなすったのですからねえ――まあ、ほ、ほ、ほ、みなさん、おつむを布でしばったりして、大そうな御容体ですこと――」

かまわず、毒のある言葉と笑いを浴びせかけて、

「さあ、これから飲みあかしましょう。お礼ごころに、お酌をして上げます――」

「雪めが、ぶちこまれた穴の上――本堂で酒盛りは、一しおうまいだろう」

と、門倉平馬の、野太い声。

「駄目ですわ、行って見たら、ごみだらけで、坐れたものじゃありません――この座敷が、このお寺では一ばんさ。おい、重詰や、樽を、おだしよ――吉」

と、連れて来た乾児に、命じるお初だ。

――へえん。

と、嘲笑うのは、本堂障子外の暗い廊下に立つ闇太郎――

――田圃や島抜けのような、のろ間でなくって――業さらしでなくってお気の毒だって? はばかりさまさ――まあ、一ぱいやってから、雪之丞をからかいに来て見るがいい――きもッ玉がでんぐりがえって、腰を抜かさずにはいられめえから――は、は、は、やっぱし、女さかしゅうして、牛うり損うだなあ――大人しく、万引でもしていりゃあいいに、あばずれ奴!