輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

線上閱讀三上 於菟吉《雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 頁

青空文庫

あの娘は、あの女がたに死ぬほど焦れているのだが、それが、何だ? 拙者が、一睨みすれば、鷲につかまれた、小雀ではないか? おどしに掛けさえすれば、どんな言葉でも、拙者のいうことなら、受け容れる外にあるまい――さもなくば、恋も、夢もそれまで、公方の許に帰ってゆく外にないのだから――

五助は、一度、胸の底にふすぶり立った、欲情の火を、大きくならぬうちに消してしまおうとは試みなかった。只、ひたむきに、その炎が、全身を焼くにまかせた。

――よし、どうしても、拙者、あの娘をあのままには置けぬ。これまでの浪路ではない。世の中に自分から投げ出しているあの娘だ。

そう独り言ちたとき、彼は立ちすくんだ。浪路のかくれ家の入口の戸が開く音がして、二ツの人影が、黒く、闇の中にあらわれたのだった。

九

隠れ家を出た二ツの人影は、いうまでもなく、浪路、甚太郎だ。

「この辺は何分、町すじからはなれておりますので、かごは、音羽の通りへ出ませんでは――」

と、甚太郎、

「ええ、何でもありませぬ。一里が二里、思い立ったら、歩けぬことはありますまい」

浪路は答える。

二人の足が向くのは、護国寺前通り――参詣の善男善女、僧坊の大衆を目あてに、にぎわしく立ち並んだ町家が、今は、盛り場の観をさえなして、会席、茶屋なぞが、軒を接しているのみではなく、小さい