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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
線上閱讀三上 於菟吉《雪之丞変化(ゆきのじょうへんげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 344,083 字 · 673 頁
と、闇太郎は笑って、
「この前とは、大分、もてなしぶりが違うが、その中に、御隠居の方で、屹度、この俺を、お座敷へ上げることになるよ。ときに、若い人達――」
と、家来どもを眺めて、
「この函は、この屋敷に取って大切のお品だ。粗末のねえよう、あとから持って来てくれ」
渋ったが、老臣が、
「いうままに、致しつかわすがよい。さあ、こちらへ来い」
と、闇太郎を伴れて、玄関から、庭木戸を潜って、奥庭に面した座敷の、廊下外に導いた。
一七
庭上に突ッ立った闇太郎、奥を見込んで例の調子で、ベラベラとやっている。
「いい気なものだぜ、御隠居も――あんなに猫撫ごえで、いつぞやは大事にしてくれたのに、今夜は打首にでもする積りか、庭先へまわれは、おどろいたな――おッとッと、そんなにその函を手荒くあつかっちゃあならねえぜ。御隠居が、中を御覧になったら、その荷物は、たちまち奥広間に、大切に持ち込まれるにきまっているんだから――」
やがて、小姓達の少年が二人、厚い錦の褥と、莨盆を縁側にもたらしたと思うと、鞘形綸子の寝巻に、紺羅紗の羽織を羽織った三斎、なるほど、めっきり窶れを見せて出て来た。