Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
二
玄徳は、城を出て迎え、詔を拝して、後に、諸臣に諮った。
「また、曹操の策略です。決してその手に乗ってはいけません」
糜竺は、諫めた。
玄徳は沈湎と考えこんでいたが、やがて面を上げると、
「いや、たとえ計りごとであっても、勅命とあっては、違背はならぬ。すぐ南陽へ進軍しよう」
弱点か、美点か。
果たして彼は、敵にも見抜かれていた通り、勅の一語に、身うごきがつかなかった。
二
玄徳の決意は固い。
糜竺をはじめ諸臣は、皆それを知ったので口をつぐんだ。
孫乾が云い出した。
「どうしても、勅を奉じて、南陽へご出陣あるならば、第一に、後の用心が肝要でありましょう。誰に徐州の留守をおあずけなさいますか」
「それがだ」と玄徳も熟考して、
「関羽か張飛のうちのいずれか一名を残して行かねばなるまい」
関羽は、進み出て、
「願わくは、それがしに仰せつけ下さい。後顧の憂いなきよう必ず留守しておりまする」
と、自薦して出た。
「いやいや、其方なら安心だが、其方は、朝夕事を議すにも、また何かにつけても、玄徳の側になくてはならぬ者。……はて、誰に命じたものか?」
と、玄徳が沈思していると、つと、張飛は一歩進み出して、例のように快然と云った。