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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「兄顔良に代る次の先鋒は、弟のそれがしに仰せつけ下されたい」と、呶鳴った。

見れば、面は蟹の如く、犬牙は白く唇をかみ、髪髯赤く巻きちぢれて、見るから怖ろしい相貌をしているが、平常はむッつりとあまりものをいわない質の文醜であった。

二

文醜は、顔良の弟で、また河北の名将のひとりであった。

「おお、先陣を望みでたは文醜か。健気健気、そちならで誰か顔良の怨みをそそごう。すみやかに行け」

袁紹は激励して、十万の精兵をさずけた。

文醜は、即日、黄河まで出た。

曹操は、陣をひいて、河南に兵を布いている。

「敵にさしたる戦意はない、恟々とただ守りあるのみだ」

旌旗、兵馬、十万の精鋭は、無数の船にのり分れて、江上を打渡り、黄河の対岸へ攻め上って行った。

沮授は心配した。

袁紹を諫めて、

「どうも、文醜の用兵ぶりは、危なくて見ていられません、機変も妙味もなく、ただ進めばよいと考えているようです。――いまの上策としては、まず官渡(河南省・開封附近)と延津(河南省)の両方に兵をわけて、勝つに従って徐々に押しすすむに限りましょう。それなら過ちはありません。――それをば軽忽にも黄河を打渡って、もし味方の不利とでもなろうものなら、それこそ生きて帰るものはないでしょう」