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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

三

――しばらくお出ましは待って下さい」

「張飛ッ。どこへ行く気か」

「呂布が城外へ出て、陣地にあるこそもっけの幸いです。ちょっと、兵を拝借して彼奴の中軍をふいに襲い、呂布の首をあげて、ついでに、紀霊の先鋒をも蹴ちらして帰ってきます。二刻とはかかりません」

玄徳は、呂布の迎えよりも、彼の暴勇のほうをはるかに恐れて、

「関羽ッ、孫乾ッ、はやく張飛を止めろ」

と左右へいった。

張飛はもう剣を払って馳けだしていたが、人々に抱き止められてようやく連れ戻されて来た。

三

関羽は張飛を諭した。

「貴様、それほどまで、呂布を疑って万一を案じるなら、なぜ、命がけでも、守護するの覚悟をもって、家兄のお供をして呂布の陣へ臨まないか」

張飛は、唾するように、

「行くさ! 誰が行かずにいるものか」と、玄徳に従って、自分もあわてて馬に乗った。

関羽が苦笑すると、

「何を笑う。自分だって、行くなと止めた一人じゃないか」

と、まるで子どもの喧嘩腰である。

呂布の陣へ来ると、なおさら張飛の顔はこわばったまま、ニコともしない。さながら魁偉な仮面だ。眼ばかり時々左右へ向ってギョロリとうごく。

関羽も、油断せず玄徳のうしろに屹然と立っていた。