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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

兇門脱出

一

苦しげに云い抜けると、曹操は開口一番、限りもなく大笑した。

「わははは、何を戸惑うて。――これ両人、きょうは古の鴻門の会ではないぞ。いずくんぞ項荘、項伯を用いんや、である。のう劉皇叔」

玄徳も、共に、

「いや、ふたりとも、粗忽者ですから」

笑いにまぎらすと、

「どうして、粗忽者どころか、雷怯子の義弟としては出来すぎている程だ」

と、曹操は眸もはなたず二人を見ていたが、やがて、

「せっかく参ったものだ。剣の舞は見るにおよばんが、二樊に酒杯をつかわせ」

と、亭上から云った。

張飛は拝謝して、腹癒せのように痛飲したが、関羽は口にふくんだ酒を、曹操の眼がそれた隙に、うしろへ吐いてしまった。

雨後の夕空には白虹がかかっていた。虎口の門をのがれ出た玄徳の車は、ふたりの義弟に護られながら、虹の下を、無事、轍をめぐらしつつ戻って行く――。

兇門脱出

一

幾日かをおいて、玄徳は、きょうは先日の青梅の招きのお礼に相府へ参る、車のしたくをせよと命じた。

関羽、張飛は口をそろえて、

「曹操の心根には、なにがひそんでいるか知れたものではない。才長けた奸雄の兇門へは、こっちから求めて近づかぬほうが賢明でしょう」