Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
四
「わかりません。虫のせいでしょう。幼少から雷鳴というと、身をかくす所にいつもまごつきます」
「……ふうむ」
曹操はとうとう自分の都合のよいように歓んだ。玄徳の人物もこの程度ならまず世に無用な人と観てしまったのである。……彼の遠謀とも知らずに。
四
ちょうどその頃。
南苑の門のあたりでも、さながら雷鳴のような人声が轟いていた。
「開けろっ、開けろっ。開門せねば、ぶちこわして踏み通るぞッ」
苑内の番卒はおどろいて、
「こわしてはいかん。何者だ。何者だ」
問い返すまにも、巨きな門がゆらゆらとゆれている。瑠璃瓦の二、三片が、門屋根からぐわらぐわら落ちて砕け散った。
「あっ、狼藉な。――何者か名を申せ、何用か、用向きをいえ」
すると、門の外で、
「ぐずぐずいっているいとまはない。われら両名は、きょう丞相に招かれた客、劉玄徳が義弟どもだ」
「あっ、では関羽と張飛か」
「開けろッ、早く」
「相府のおゆるしを得て参ったか」
「そんなことをしている暇はないというのに分らん奴、エエ面倒だっ、兄貴、そこを退いていろ。この大石を門扉へたたきつけてくれる」
中の番卒は仰天して、
「待て待て。無茶なまねをいたすな。