Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「もちろん」

「よしてくれ! 君子の真似なんか!」

「おれにいっても仕方がない」

「きょうも畑に出ているようか」

「やっておられるらしい」

「二人して、意見しに行こうじゃないか」

「さあ?」

「何をためらうか。貴様はたった今、主君の威厳にさわるとか、おれをたしなめたではないか。おれには何でもいえるが、主君の前へ出ては、何もいえないのか」

「ばかをいえ」

「では行こう、ついて来い。忠義の行いでいちばん難しいことは、上に善言して上より死を賜うも恨まずということだぞ」

二

ぼくっ、ぼくっ、と鍬を打つ。土のにおいが面にせまる。

玄徳は、野良着の肱で、額の汗をこすった。

「…………」

黙然と、鍬を杖に、初夏の陽を仰いでいる。一息して、鍬をすてると、彼は糞土の桶を担って、いま掘りかえした菜根の土へ、こやしを施していった。

「わが君! 冗談ではありませんぞ。この時勢に、そんな小人の業を学んでどうするのですっ。馬鹿馬鹿しい」

うしろで張飛の大声がした。

玄徳はふり向いて、

「おお、何用か」

ことばだけは、左将軍劉備らしい。それだけに、張飛はなお馬鹿げた気がしてならない。が、由来彼は弁舌の士でなかった。