Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
三
孫策は、この知己を得て、非常な歓びを覚えながら、
「そちもまた、わが心根をひそかに憐れむ者か」と、いった。
子衡は、誓言を立てて、
「君、大江を渡るなれば」と、孫策を見つめた。
孫策は、火の如き眸に答えながら、
「渡らん、渡らん、大江の水、溯らん、溯らん、千里の江水。――青春何ぞ、客園の小池に飼われて蛙魚泥貝の徒と共に、惰眠をむさぼらんや」
と叫ぶと、忽然と起って、片手の拳を天に振った。
子衡は、その意気をおさえて、
「しかし、孫策様。てまえが推量いたすに、袁術は、決して兵を貸しませんぞ。なんと頼んでも、兵だけは貸しません。――その儀はどうなさいますか」
「心配するな。覚悟さえ決めたからには、この孫策に考えがある」
弱冠、早くも孫策は、この一語のうちに、未来の大器たるの片鱗を示していた。
三
「どうして袁術から兵をお借りになりますか」
子衡、君理のふたりは、孫策の胸をはかりかねて、そう質した。すると孫策は、
「袁術が日頃から欲しがっている物を、抵当として渡せば、必ず兵を借りうけられよう」
と、自信ありげに微笑した。
――袁術の欲しがっている物?
二人は小首をかしげたが分らなかった。