Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
四
この旧縁を力に、これから後へ戻って、彼らに兵を収めるように、一つ生命がけで、勧告してみましょう――彼らとて、肯かないこともないかと思われますから」と、人々へ告げて、一人道を引っ返して行った。
四
流民に等しい帝の漂泊は、なお幾日もつづいた。
後からぼつぼつ追いついて来た味方はあるが、それはほとんど野卑獰猛な李楽の手下ばかりだった。
だから李楽だけは一行の中でも二百余人の手下を持ち、誰よりも一番威張りだした。
太尉楊彪は、
「ひとまず、安邑県(山西省・函谷関の西方)へおいであって、しばし仮の皇居をお構え遊ばし、玉体を保たせられては如何ですか」と、帝へすすめた。
「よいように」
帝はもうすべてを観念なされているかのように見えた。
「さらば――」
と、牛車の龍駕は安邑まで急いだ。しかしこことて仮御所にふさわしいような家などはない。
「一時、ここにでも」と、人々が見つけた所は、土塀らしい址はあるが、門戸もなく、荒草離々と生い茂った中に、朽ち傾いた茅屋があるに過ぎなかった。
「まことに、これは朕がいま住む所にふさわしい。見よ、四方は荊棘のみだ。荊棘の獄よ」
と、帝は皇后にいわれた。