Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
二
二
「捕ったっ」
「呂布を縛めた!」
諸声あげて、反軍の将士が、そこでどよめきをあげた頃――城頭のやぐらでは、一味の者が、白旗を振って、
「東門は開けり」と、寄手へ向って、かねての合図を送っていた。
それっ――と曹操の大軍は、いちどに東の関門から城中へなだれ入ったが、用心深い夏侯淵は、
「もしや敵の詭計ではないか」
と、疑って、容易に軍をうごかさなかった。
宋憲は、それと見て、
「ご疑念あるな」と、城壁から彼の陣へ、大きな戟を投げてきた。
見るとそれは呂布が多年戦場で用いていた画桿の大戟だった。
「城中の分裂、今はまぎれもなし」
と、夏侯惇も、つづいて関内へ駸入し、その余の大将も、続々入城する。
城内はまだ鼎のわくがごとき混乱を呈していた。
「呂将軍が捕われた」と伝わったので、城兵の狼狽は無理もなかった。去就に迷って殲滅の憂き目に会う者や、いち早く、武器を捨て、投降する者や、右往左往一瞬はさながら地獄の底だった。
中にも。
高順、張遼の二将は、変を知るとすぐ、部隊をまとめて、西の門から脱出を試みたが、洪水の泥流深く、進退極まって、ことごとく生虜られた。
また。