Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

二

孫策は、真面目にいった。

二

君理は、孫策の意中を聞くと、共に嘆じた。

「ああ、やはりそうしたお心でしたか。少年日月早し。――鬱勃たるお嘆きはけだし当然です」

「わかるだろう、君理。……わしの悶々たる胸のうちが」

「日頃から拝察しています。わたくしも、呉に生れた一人ですから」

「祖先の地を失って、他国の客となり、青春二十一、なお空しく山野に鳥獣をおう。……ああ、わしは考えると、今の境遇に耐えられなくなる」

「御曹司……孫策様……。それほどまでに思し召すなら、なぜ大丈夫たるもの、思いきって、亡き父上の業を継ごうとしないのです」

「でも、わしは一介の食客だ。いかに袁術が可愛がってくれても、わしに獣をおう狩猟弓は持たせても、大事を興す兵馬の弓箭は持たせてくれない」

「ですから、その温床に甘えてはいけません。――あなたを甘やかすもの、愛撫するもの、美衣美食、贅沢な生活。すべてあなたの青春を弱める敵です」

「でも、袁術の情けにも、裏切れない」

「そんな優柔不断は、ご自身で蹴ってしまわなければ、生涯、碌々と終るしかありますまい。――澎湃たる世上の風雲をごらんなさい、こういう時代に生れ会いながら、綿々たる愚痴にとらわれていてどうなりましょう」