Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
避客牌
一
と、はなした。
曹操の胸にはいま、気が気でないものがある。もちろん張遼もそれを察して、ひどく気を傷めているところなので、
「近いうちに、一度てまえが、関羽をたずねて、彼の心境をそれとなく探ってみましょう」
と、いって退がった。
数日の後。
張遼はぶらりと、内院の番兵小屋を訪れた。
「やあ、よくお出で下すった」
関羽は、書物をおいて、彼を迎え入れた。――といっても、門番小屋なので、ふたりの膝を入れると、いっぱいになるほどの狭さである。
「何を読んでおられるのか」
「いや、春秋です」
「君は、春秋を愛読されるか。春秋のうちには、例の有名な管仲と鮑叔との美しい古人の交わりが書いてある条があるが、――君は、あそこを読んでどう思う」
「べつに、どうも」
「うらやましいとはお思いにならぬか」
「……さして」
「なぜですか。たれも春秋を読んで、管仲と鮑叔の交わりを羨望しないものはない。――我ヲ生ムモノハ父母、我ヲ知ルモノハ鮑叔ナリ――と管仲がいっているのを見て、ふたりの信をうらやまぬものはないが」
「自分には、玄徳という実在のお人があるから、古人の交わりも、うらやむに足りません」