Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

四

「それがいい」

客の二人は召使いの案内で通されてきた。

董承は出迎えて、

「やあ、ようお越し下すった。きょうは徒然のあまり読書に耽っていたところ、折からのご叩門、うれしいことです」

「読書を。それは折角のご静日を、お邪魔いたしましたな」

「何、書にも倦んでいたところじゃ。しかし、史はいつ読んでもおもしろいな」

「春秋ですか。史記ですか」

「史記列伝を」

「時に」と、呉碩が、はなしの穂を折って、唐突に云いだした。

「先ごろの御猟の日には、国舅もお供なされておりましたね」

「むむ、許田の御猟か」

「そうです。あの日、何かお感じになったことはございませんか」

計らずも、自分の問おうとする所を、客の方から先に訊ねられたので、董承はハッと眉をあらためた。

四

……だがなお、相手の心は推し測れない。人のこころは読み難い。

董承はふかく用心して、

「いや、許田の御猟は、近来のご盛事じゃったな。臣下のわれわれも、久しぶり山野に鬱を散じて、まことに、愉快な日であった」

さりげなく答えると、呉碩、輯のふたりは、改まって、

「それだけですか」となじるようにいった。

「――愉快な日であったとは、国舅のご本心ではありますまい。