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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

四

南苑の中門まで来ると、ちょうど今、彼方から退出して来る董承とばったり出会ってしまった。

董承は、曹操のすがたを見かけると、ぎょッと顔色を変えた。抱えていた恩賜の御衣と玉帯を、あわてて、袂でおおいかくしながら、苑門のかたわらに身を避けていた。

四

董承は体のふるえが止まらなかった。生きたそらもなくたたずんでいた。

「おう、国舅。はやご退出か?」

曹操は、声をかけながら、歩み寄ってきた。

ぜひなく董承も、

「これは丞相でしたか。いつもご機嫌よく、何よりに存じます」

さりげなく会釈を返すと、曹操は、口辺に微苦笑をたたえながら、

「――時に、国舅には、今日、何事のご出朝であるか?」

と、いぶかるような眼を露骨に向けて訊ねた。

「はっ、実は……」

と、董承は答えもしどろもどろに、

「天子のお召しに応じて、何事かと、参内いたしましたところ、思いがけなく、錦の御衣と玉帯とを賜わり、天恩のかたじけなさに、実は、気もそぞろに、私第へ退がって参ったところです」

「ほう。……天子より御衣玉帯を賜われたとか。それは近頃、ご名誉なことである。しかし、何の功があって、さような栄に浴されたかな」