Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
二
と、駈け込んで来た一美童に、役人たちは寝耳に水の愕きをうけた。
いやもっと愕いたのは、慶童の口から、董承一味の企てを、直接聞きとった曹操自身であった。
「どうして其方は、そんな主人の大事を、つぶさに知っておるのか。そちも一味の端くれであろうが」
とわざと脅しをかけてみると、慶童はあわてて顔を横に振って、
「滅相もないことを仰っしゃいませ。私は何も存じませんが、正月十五日の夜、いつもくる典医の吉平と主人が、妙に湿ッぽく話しこんでいたり、慨嘆して哭いたりしていますので、次の間の垂帳のかげでぬすみ聞きしていましたところ、いま申しあげたように、丞相様に毒を盛って、他日きっと殺してみせると約束しているではございませんか……。怖ろしさのあまり身がふるえ、それからというもの、私は主人の顔を仰ぐのも何だか恐くなっておりました」
曹操は動じない面目を保とうとしていたが、明らかに、内心は静かとも見えなかった。
階下の家臣に向って、
「事の明白となるまでその童僕は府内のどこかへ匿まっておけ。なお、この事件については、一切口外はまかりならぬぞ」と、云い渡し、また慶童に対しては、