Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
四
張遼は侍側の者から、その日の仔細を聞いて深く責任を感じた。
で、曹操にむかい、
「ひとつ、私が、親友として関羽に会い彼の本心を打診してみましょう」
と申しでた。
曹操の内諾を得て張遼は数日ののち関羽を訪ねた。
世間ばなしの末、彼はそろそろ探りを入れてみた。
「あなたを丞相に薦めたのはかくいう張遼であるが、もう近頃は都にも落着かれたであろうな」
すると関羽は答えて、
「君の友情、丞相の芳恩、共にふかく心に銘じてはおるが、心はつねに劉皇叔の上にあって、都にはない。ここにいる関羽は、空蝉のようなものでござる」
「ははあ、……」と、張遼は、そういう関羽をしげしげ眺めて、
「大丈夫たる者は、およそ事の些末にとらわれず、大乗的に身を処さねばなりますまい。いま丞相は朝廷の第一臣、敗亡の故主を恋々とお慕いあるなど愚かではありませんか」
「丞相の高恩は、よく分っているが、それはみな、物を賜うかたちでしか現わされておらぬ。この関羽と、劉皇叔との誓いは、物ではなく、心と心のちぎりでござった」
「いや、それはあなたの曲解。曹丞相にも心情はある。いや士を愛するの心は、決して玄徳にも劣るものではない」