Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

白馬の野

一

曹操もさすがに曹操であった。あえて怒る色もない。ただ長嘆していった。

「君ニ事エテソノ本ヲ忘レズ。関羽はまことに天下の義士だ。いつか去ろう! いつか回り去るであろう! ああ、ぜひもない」

「けれどまた、関羽はこうもいっておりました。何がな一朝の場合には、ひと働きしてご恩を報じ、そのうえで立ち去らんと……」

張遼がいうのを聞いて、かたわらから荀が、つぶやくように献言した。

「さもあろう、さもあろう。忠節の士はかならずまた仁者である。だからこの上は、関羽に功を立てさせないに限ります。功を立てないうちは、関羽もやむなく、許都に留まっておりましょう」

白馬の野

一

劉備玄徳は、毎日、無為な日に苦しんでいた。

ここ河北の首府、冀州城のうちに身をよせてから、賓客の礼遇をうけて、なに不自由もなさそうだが、心は日夜楽しまない容子に見える。

なんといっても居候の境遇である。それに、万里音信の術も絶え、敗亡の孤を袁紹に託してからは、

「わが妻や子はどうなったか。ふたりの義弟はどこへ落ちたのか……」

思い悩むと、春日の長閑な無事も悶々とただ長い日に思われて、身も世もないここちがする。