Japanische Klassiker mit Furigana
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こどもふどき
こども風土記・母の手毬歌
柳田 国男
Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme
九、子どもの欲しい家
香川県のある村では、お産の前に死んだ若い婦人のために、洗いざらしという五、六尺の布切れを、路のそばの地蔵さんの前などに張っておいて、通行の人に水をそそぎかけてもらうことは、ほかの地方も同じであるが、この布をまた一夜機としょうして、朝から糸を繰り機に立てて織ることにしている。鹿児島県南海の奄美大島では、十三歳になる女の子には十三袴といって、叔母さんから赤い腰巻をやることになっている。これも全国どこにもあることだが、この島のは特に一日のうちに織って染めて縫ってやることになっていた。すなわち、その叔母さんも一人だけではできぬことなのである。
九、子どもの欲しい家
旗や幟について、なお二つ三つのかわった話をわたしは知っている。一つは鳥取県のある山村だけで聴いたことだが、蓆旗といって五月の節供のまえの晩、子どもが欲しいのに産まれないという家の前に、若者連中がこっそりとやってきて、きまった方式のとおりに蓆の旗を立てるときっと子どもができる。その家の者が知っていてはききめがない。その方式というのは、まずこの家より上のほうに男の児をもった家の屋の棟に繩をゆわえつけ、つぎにその繩を氏神さんの社に引き、さらに子どものほしい家の外庭まで引いてきて、蓆旗を立てた竿のさきにむすびつないでおくのである。